スケッチこぼれ話
『スケッチこぼれ話』では、第1回『藤右衛門さんと夏の桜』から第13回『高瀬川』までの、ブログの中でお伝えしたかったことや失敗談、裏話を掲載しています。
『藤右衛門さんと夏の桜』(2022年10月21日投稿)
『京都スケッチ』の記念すべき1回目でした。
ところが、取材に訪れた京都ではタイトルも決まっておらず、相変わらずの準備不足が露呈します。(笑)
ふと思い立って円山公園に。そして、出来上がったのが『藤右衛門さんと夏の桜』でした。
ブログの中では、桜守として活躍されている佐野藤右衛門さんのユニークなお話を紹介しています。
写真の祇園しだれ桜の物語を、ぜひ読んでください。
『 鴨川納涼床 』(2022年10月21日投稿)
2022年、京都では ″ 3年ぶり ″ という言葉をいろいろなところで耳にしました。祇園祭の山鉾巡行、各施設の催し物……そして写真の鴨川納涼床です。
この数年、今まで当たり前にあったものが奪われてしまう不条理を、どれだけ多くの人が感じたことでしょうか?
写真は、3年ぶりに開催された『鴨川納涼床』を、三条大橋のたもとから撮影した一枚です。
空が真っ暗になるほんの一瞬、コバルトブルーの夕闇に納涼床の灯りがぼぉーっと浮かび上がりました。
本編では、豊臣秀吉の時代にはじまったその歴史や、水と京都の文化が深いつながりを持っていることを紹介しています。
絵師白幡洋三郎が描いた「四条河原夕涼其一」を見ると、昔の人も今と変わらない癒しを求めていたことがわかります。
『 南禅寺水路閣 』(2022年10月27日投稿 )
京都をあまり訪れることのなかった人も、この水路閣はどこかで見かけられたことがあると思います。
映画やテレビのサスペンスドラマにもたびたび出てくる『南禅寺水路閣』です。
苔むしたレンガに長年の風雪で浸み込んだ石灰水がアーチを白く覆っています。
インスタ映えする水路閣には、観光客の絶えることはありません。
でも、もしもこの水路閣が近代日本の発展の象徴だったとしたら、どんな風に感じられますか?
ブログでは、琵琶湖疎水記念館のスタッフの方からお聞きした水路閣を、出来るだけたくさん書きました。
先行きの見えない世の中でちょっと元気を取り戻したい時、ぜひ『南禅寺水路閣』を読んで、気骨ある明治人のパワーをもらってください。
『 金閣寺ときぬかけの路 』(2022年10月29日投稿)
龍安寺の北側にある衣笠山を別名「きぬかけの山」と言います。
その昔、宇多天皇が真夏に雪景色を見たいと言い出し、お供の人は、衣笠山に白絹をかけて覆い天皇に雪景色を見せたことから、「きぬかけ」という言葉が生まれました。
そして、金閣寺から龍安寺、仁和寺をつなぐ道を「きぬかけの路」と呼んでいます。
正式には、京都市道183号線。この路を歩くと、過去にタイムスリップしたような感覚を楽しむことができます。
3つの世界遺産がちょっとした休息場所になってしまうのも、贅沢な散策コースだと思います。
『 お豆腐 』(2022年11月15日投稿)
『鴨川納涼床』や『南禅寺水路閣』を書いていた時に、京都の生活が ″水 ″ とつながりが深いことに気がつきました。
『お豆腐』では、そのことを京都人の食からお伝えしています。
ブログには、「鬼平犯科帳」の軍鶏鍋(しゃもなべ)や魯山人(ろさんじん)の「美味しい豆腐の話」も出てきます。
京都盆地の下にある豊富な地下水は、琵琶湖の水量に匹敵するほどだそうです。
『「京都スケッチ」の 紅葉 』(2022年11月24日投稿)
色づき始めたイロハモミジを『京都スケッチの紅葉』、『紅葉-その2-』の2回に分けて掲載しました。
『「京都スケッチの」紅葉』では、清水寺、ねねの道、円山公園を訪ねました。
すっかり赤色に染まったモミジの他にも、緑を半分ぐらい残したオレンジ色や、赤色に染まらずに黄葉(おうよう)したモミジもご覧いただけます。
時間を有効に使いたい方のために、朝6時の開門から清水寺を出発するコースをイメージしています。ぜひ、試してみてください。
『 紅葉-その2- 』(2022年12月16日投稿)
『紅葉-その2-』では、南禅寺、哲学の道、安楽時、法然院、銀閣寺、真如堂を訪れました。
11月24日、初紅葉に訪れた清水寺から一週間ちょっと経っていましたが、イロハモミジやヤマモミジの紅葉はずっと進んでいるのを実感しました。
春の桜に比べると、一か月間も楽しめる紅葉ですが、わずかな時間の経過が見ている人にまったく違う紅葉を見せてくれます。
哲学の道では、紅葉した桜の葉っぱはすでに散っていました。石畳みの桜の葉っぱの上をサクサク歩いていると、次回は桜の紅葉も見たいなあーと、そんな思いにもかられました。
『 寺町京極の歴史 』(2023年1月5日投稿)
全国には、たくさんの商店街があります。この寺町京極商店街は、1590年頃、豊臣秀吉の京都大改造によって誕生しました。
イギリスの都市計画の専門家バリー・シェルトンは、この日本のアーケード商店街とゲートを、神社の参道と鳥居に例えたそうです。
アウトレットモールやショッピングセンターが買物の主流になってどこかノスタルジックなイメージが先行してしまう「商店街」。
でも、お店の人と立ち話をしたり、食事しながら昔話を聞いていると、不思議にこの商店街の魅力に引き込まれてしまいます。ブログには、寺町京極に感じた日本人のルーツと未来のお話を書きました。
『 七福神めぐり -大黒天・福禄寿・寿老神・ゑびす- 』(2023年1月17日投稿)
お正月になると、七福神が乗った宝船を見かけることがあります。
宝船の絵を枕の下に置いて寝ると良い夢が見られ、今年は幸運に恵まれると聞きます。
前半は、都七福神の中から、大黒天、福禄寿、寿老神、ゑびすを訪ねました。
七福神を祀るお寺や神社には、七福神の神様の他にもいろいろな神様が祀られています。
巡っていて気がついたのは、中国やインドからやってきた七福神の神様が、はじめは怖い顔をしていたのに、いつの間にか日本の神様のように、優しい田舎のおじいちゃんに変わっていたことです。笑
七福神めぐり -弁財天・毘沙門天・布袋- 』(2023年1月21日投稿)
後半は、弁財天、毘沙門天、布袋を訪ねました。
胸と腹をはだけて太鼓腹をした大きな布袋さまは、宇治の黄檗宗の本山・萬福寺に鎮座しています。
七福神めぐりの順番は自由です。
布袋さまが七福神めぐりの最後になったのは偶然だったのですが、ブログの最後に書いた光徳寺の渡邊俊明住職の言葉が印象に残lりました。
………「笑う門には福来たる」です。(笑) ☆ぜひ読んで頂けたらと思います。
『 さば 』(2023年1月27日投稿)
初めての ″ 食レポ ″ をどんな風に乗り切ろうかと、その事ばかりが気になって訪れた ″ さばの専門店 ″ SABARさん。
半ば開き直って、とろさばの味噌煮、元祖SABARの胡麻さば、さばの南蛮漬け、さばの酢味噌和え、とろさばのサラダ、とろさば漬け丼を注文しました。
ランチの時間なので、皆さん、 ″ 塩サバ定食 ″ ぐらいなのに、桜井旬のテーブルだけは、ずらりとさばのオンパレード。
本当にこんなに食べられるの?本人も、きっと回りもそう思っていました。
ところが、食レポに入ると??? これがぺろりとイケてしまいます。脂がのって丸々太ったとろさばですが、とてもあっさりしているんです。
はじめに迷って注文しなかった、″ さばの串焼き ″ と ″ さばつくね ″ も、注文しておけばよかったと………。😢😢
ブログに出てくる、″ 京都とさばのロマン ″ も、ぜひ読んで頂けたらと思います。
『 春の七草探し 』(2023年2月3日投稿)
南座に54枚の歌舞伎役者の「まねき看板」が掲げられると、京都には師走の雰囲気が漂ってきます。
『春の七草探し』では、12月13日の「正月事始め」から、七草が上賀茂神社などで振舞われる1月7日をテーマにしています。
セリにナズナ、ゴギョウにハコベラ………七草を探してやっとたどり着いた京都植物園の一角、そこでは思いもよらぬ展開がありました。
京都の生活には、旧暦と新暦が ″ 上手に ″ 溶け込んでいます。桜井旬の知識不足を、「リブロリア・ネット」さんの『月の満ち欠けカレンダー』がカバーしてくれています。笑
『 高瀬川 』(2023年2月10日投稿)
『高瀬川』では、二条大橋から五条大橋までの高瀬川沿いを散策しました。
はじめて京都を訪れた時、市内のあちらこちらに川や川らしきもの?を見つけました。
″ みそそぎ川 ″ という謎の川、川底が数十cmしかない高瀬川にポツンとおかれた舟、高瀬川が突如なくなる「がんこ高瀬川二条苑」さん、いろいろな謎解きをしながら、高瀬川の歴史を探っていきます。
そして、ちょうど100年ぐらい前に、幾つかの幸運が重なって、高瀬川は今の風景を残すことができました。そんな高瀬川のロマンもぜひ読んで頂けたらと思います。
☆ おかげさまで、『スケッチこぼれ話』の投稿が28回目となりました。はじめのうちは、テーマを探すのに四苦八苦でしたが、さまざまな方の応援を得てブログはまだまだ続きそうです。これからもお時間のある時に、『京都スケッチ』を読んで頂けたらと思います。 2023.7.28 桜井旬