金閣寺ときぬかけの路
10月31日はハロウィーン。かぼちゃをくりぬいて作った「ジャック・オー・ランタン」がお店のショーウインドーを飾っています。子供たちがハロウィーンの衣装で街を飛び跳ねている姿はすっかりこの季節の風物詩ですね。
そして秋の収穫を祝い悪霊を追い払うキリスト教のお祭り「ハロウィーン」が終わる頃、京都に実りの秋がやってきます。本格的な紅葉のシーズンまであと2,3週間、そう言い聞かせつつ、もしかしたらの期待感から……10月18日、きぬかけの路を散策してみることに……笑。
ⅰ きぬかけの路
「きぬかけの路」は、金閣寺、龍安寺、仁和寺まで続く全長2.5㎞の路で、その昔、仁和寺を創建した宇多天皇が初夏に雪を見たいと、きぬかけの山に絹をかけ雪に見立てたという故事にちなんでそう名付けられたそうです。(地図は「そうだ京都、行こう」から)
ⅱ 金閣寺
スタートは、金閣寺。この名前を知らない人はいない、あまりにも有名な金箔の御殿。室町時代に将軍足利義満が富と力の象徴としてこのお寺を再建したのですが、金箔が建物に貼られている理由はそれだけではないようでした。
お話によると、金閣は舎利殿として仏舎利(お釈迦さまの骨)を納める場所になっているようです。お釈迦様の骨は金の器に納められたと古い経典にあることから、金閣をお釈迦様の骨が納められている金の容器に見立てて金箔を貼っているとのことでした。
久しぶりの青空が金閣寺の山吹色を一層引き立てていました。時折、緑の隙間から顔を覗かせる金閣寺に、いっとき紅葉探しの旅を忘れてしまうことも……。笑 (境内のモミジはうっすらとオレンジ色に紅葉していました。)
旬の豆知識! モミジとカエデ 「もみじの種類図鑑」(日本産カエデの種(しゅ)の識別)にカエデの識別が丁寧に書かれていました。植物学上は「カエデ科」などに分類されるそうです。(日本人に親しまれている「モミジ」は植物学上の分類ではなく、手のひらのような形をしている葉の総称とのことでした。)
きぬかけの路は、閑静な住宅が整然と立ち並んで四条河原町の賑やかさはこの街には届いていないようです。(世界遺産が3つもご近所さんにあると、きっと心もゆったりとされるんですね。)
ⅲ 龍安寺
金閣寺から20分ほど歩くと、2つ目の世界遺産龍安寺へ。お寺へと続く石段の青もみじは本当に真っ青です。成長をはじめたばかりの若竹のような明るい緑色で、本当にここだけ新緑の時が止まったような感じでした。
「虎の子渡しの庭」や「七五三の庭」として有名な石庭の緑も紅葉までもう少し時間がかかりそうです。
(石庭だけはもう少し紅葉してくれていたら……) そんな気持ちを察して頂いたのか、お寺の方が絵葉書を紹介してくれました。あと3週間ぐらいしたら、石庭にもこんな紅葉が待っているそうです。赤とオレンジ色にモミジが染まると、砂紋の白砂とのコントラストがとても綺麗ですね。
ⅳ 仁和寺
仁和寺の紅葉は金閣寺や龍安寺と比較すると、イロハモミジの青々とした葉が柿色に紅葉し始めたことを感じます。あと1週間もしたら照柿のような鮮烈な橙色と茜色の葉でいっぱいになりそうです。
旬のおすすめ! どんぐり拾い
境内の奥に経蔵と呼ばれている建物があります。イロハモミジの紅葉が綺麗だったので写真を撮ろうとしていたら、突然「バサッ!という音がしたので動物かな?と思って立ち止まってしまいました。
付近を見渡したら、大きなどんぐりが上から落っこちてきていました。街中の公園などで見かけるマテバシィやコナラの可愛いどんぐりではなく、クヌギの3cmサイズの大きなものでした。予想外の自然の恵みに思わず嬉しくなって持ち帰ることにしました。クリスマスの時期になると、どんぐりや紅葉した葉を使ってクリスマスリースを作っています。このクヌギのどんぐりはとっても大きいのできっと見栄えがするから楽しみです。笑 (写真は数年前に紅葉のイメージで作製したクリスマスリースです。)
P.S. 先日、友人が白馬の三段紅葉の話を教えてくれました。稜線上や谷間の雪の白と色鮮やかな山腹の紅葉と山麓の針葉樹林の新緑が織りなす景色です。この時期にしか見ることができない絶景だそうです。いつか見てみたいと思います。
今回のきぬかけの路は、昔見た懐かしい建物を再発見でき、知らなかったことにも触れることができました。11月下旬に紅葉でお寺の境内が真っ赤に染まるのが楽しみです。本格的な紅葉には少し早かったのですが、イロハモミジやヤマモミジが緑の鮮やかさを残したまま、オレンジ色や真っ赤に紅葉している姿は「きぬかけ版」三段紅葉だったかな?と思いました。