パワースポット
パワースポットのことを知りたいと思って、アマゾンの本検索で ″パワースポット″ の文字を入力してみました。
「開運!パワースポット」、「このパワースポットがすごい!」、「パワースポットのつくりかた」、「パワースポット温泉」、「全国のパワースポット」……………″パワースポット″は、次から次へと出てきます。
実は、京都にも、たくさん、パワースポットがあるようでした。
写真の安倍晴明公が祀られる晴明神社は、修学旅行の中学生にとても人気です。
学生が企画する自由行動に晴明神社がいつも入っているので、引率の先生が必ず立っているチェックポインだとお聞きしたことがあります。
陰陽師安倍晴明は、映画や漫画の題材になって、時にイケメンの好男子です。謎めいた「星印マーク」や「一条戻り橋」に、つい訪れる者は引き込まれてしまいます。
そこで、今回は、たくさんある京都のパワースポットから、御金(みかね)神社、今宮神社、貴船神社、八坂庚申堂を訪ねて見ることにしました。
ⅰ 御金神社 パワー ―金運・招福・開運―
一つ目のパワースポット、御金神社は、京都市中京区の元離宮二条城のほど近くにありました。
マンションが建ち並ぶ静かな住宅街に、黄金の鳥居は、ここが金運のパワースポットだと言わんばかり。
神社の歴史を紐解くと、それも納得です。この辺りは、徳川家康の頃に設けられた金座と銀座があって、金貨鋳造も行われていたそうです。近くには、両替町通りの名前が今も残っていました。
「福包み守り」が有名で、この中に、通帳や宝くじを入れておくと、金運が良くなると教えて頂きました。
写真のように、イチョウの形をした絵馬も飾られています。
御金神社の御神木の銀杏の木を絵馬やお守りにしたものが人気だそうです。
絵馬には、「宝くじ1億円当たり!」とか、やっぱり、威勢のいいお願いが所狭しと並んでいました。
パワースポット巡りをする前に読んだ本には、土地にパワーの源があると書かれていました。御金神社の金運はまさに折り紙付きですね。
ところで、この金色の鳥居、夜ライトアップされるとキラキラ輝いて、そんなインスタ映えを狙ってか、夜の参拝客も多いと聞きます。
写真の小判がついた「がまぐち」の形のお守り、ユニークですね。お金が貯まること、間違いなし!かな? ( 御金神社 https://mikane-jinja.or.jp )
ⅱ 今宮神社 パワー ―健康長寿・玉の輿―
今宮神社は、京都市北区柴野今宮町にある1001年創建と歴史の古い神社です。
創建当時、京の都では疫病が流行し、朝廷は疫神を近くの船岡山から今宮神社に移しました。
そして、大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)の神を祀り、都の安寧を願ったそうです。
パワーの一つ、健康長寿は、疫病を退治した今宮神社創建の歴史にあるんですね。
そしてもう一つのパワー、「玉の輿」には、こんなシンデレラストーリーが残されています。
今宮神社の近くに西陣という織物で有名なところがあります。一説では、八百屋の娘、お玉さんは、お父さんが亡くなった後、下級武士の養女となりました。(商人から武士の娘へ⤴ )
そして、そこからお公家出身の尼僧のもとに奉公に出ます。(武士の娘から公家の世界へ⤴ )
その尼僧こそ、将軍家光の側室お万(おまん)の方でした。
やがて、お玉さんは、その家光に見初められ、側室となります。(将軍の側室へ⤴ ) 最後には、五代将軍綱吉の生母(桂昌院)として、大奥での出世街道を歩んでいきました。(将軍の母⤴ )
縁結びお守り。金色と銀色の♡が赤と青の房でつながっています。
シンデレラストーリーのお玉さんですが、将軍の母となっても、故郷の西陣が氏神様としている今宮神社のことが忘れられず、神社が荒れたと聞けば、再興に尽力したと言われます。
この神社と縁が深いお玉さんのシンデレラストーリーは、いつしか今宮神社の「玉」の輿のご利益として、信仰されるようになったということです。
開運のお守り。貝の形をしています。
神社には、西陣織を生かしたお守りが幾つもありました。
(今宮神社 http://www.imamiyajinja.org )
今宮神社というと、あぶり餅が有名です。参道のかざりやさんの暖簾をくぐると、店先では、きな粉をまぶしたお餅をちぎって竹串に刺していました。
これを炭火であぶって香ばしい焦げ目をつけ、特製の白みそダレをからめたら、出 来上がりです。
あぶるのは、厄除けの意味もあるとか。
この、あぶり餅のパワー………なかなか、捨て難いです。笑
Coffeebreak ☕ お昼にちょっと立ち寄ったSARASAさん
今宮神社のそばに、船岡山という小山があります。
高さも100mぐらいの山なのですが、ここも人気のパワースポットです。
「東の青龍(せいりゅう)、南の朱雀(すざく)、西の白虎(びゃっこ)、そして北の玄武(げんぶ)」の四神のお話、どこかで聞かれたことがありますか?
あの「玄武」が船岡山です。頂上から眺められる京都市内は絶景でした。(青龍や白虎のお話は、後日のブログに掲載できたらと………)
船岡山の建勲神社でお参りした後、山を下りてきたら、やっぱり、お腹が空いて(笑)、つい立ち寄ったのが、写真のSARASAさんでした。
お店のホームページに、こんな紹介がありました。
映画「千と千尋の神隠し」のお風呂屋さんの様な唐破風の屋根、格天井と呼ばれる立派な高い天井、和製マジョリカタイル全面張りのアンティークと呼ぶにふさわしい店内です。築80年の銭湯旧藤の森温泉をリノベーションし、さらさ2号店として2000年に「さらさ西陣」をOPENしました。
お風呂屋さんだったんですね。……でも、唐揚げの甘醤油、美味しかった!!
さらさ西陣 〒603‐8223 京都市北区紫野東藤ノ森町11-1
☎︎ 075-432-5075
ⅲ 貴船神社 パワー ―家内安全、心願成就、商売繁盛、えんむすび―
京都市左京区鞍馬貴船町にある貴船神社の歴史は古く、5世紀前半の反正天皇の頃と言われています。
訪れた日は、前の晩に雪が降ったらしく、階段には残雪がありました。烏丸線の国際会館前から、バスを二つ乗り換えてようやく参道に辿り着くと……神社へと向かう小道の横を流れる貴船川の水の音が、静寂の中で、ひとしきり大きく聞こえました。
全国500カ所の社を構える貴船神社は、京都の水源を守る水神様でもあるそうです。
写真の貴船神社に続く石段は、広告やコマーシャルなどに多く取り上げられ、人気の撮影スポットです。一段一段上がると、神聖なパワーの中に引き込まれていきそうな……………。
雪の日の貴船神社(絵葉書)
神社で頂いた雪の日の石段の絵葉書を掲載しました。
木々や石段に降り積もった雪と燈篭の灯りが、幻想的で貴船神社の魅力が詰まっている絵葉書です。
(いつか、この風景を見てみたいのですが、ここまでの道中を考えると??………ちょっと躊躇してしまいます。笑)
パワースポットの神社らしい、いろいろなお守りがありました。
おみくじがユニークで、他の神社のようにくじを引いて巫女さんに番号を告げませたりしません。
一見、真っ白に見える紙の中から一枚を選んで、境内の霊泉に浮かべると、吉凶がわかる「水占いおみくじ」です。
それから、このおみくじには大凶が本当に存在するそうです。ちょっと、ドキドキ感がありますね。その分、良い占いが出たら、パワーも倍増??
貴船神社には、本宮の他に、結社(ゆいのやしろ)と奥宮が、本宮の上流の少し離れたところにあります。
社へと向かう参道の横を流れる川には、夏の頃、川床の床座敷が、まるで棚田のように、だんだんに敷き詰められます。
寒い今は、ちょっと想像ができませんが(笑)、暑い夏は川床料理で涼を楽しむ方が全国から訪れます。
ⅳ 八坂庚申堂 パワー ー縁結び・病気平癒ー
東山のシンボル八坂の塔のそばにある八坂庚申堂は、付近に清水寺や高台寺もあって、いつ訪れても賑やかです。
名前の庚申(こうしん)とは、庚(かのえ)申(さる)という十干十二支(じっかんじゅうにし)で60日に1回、回ってくる日のことをさしています。
庚申信仰は古くから伝えられ、こんな言い伝えがありました。
庚申の日の夜、人間の体の中にいる三尸(さんし)の虫が、就寝中に体から脱け出し、天帝に、その人間の行った悪行を告げ口にいきました。
天帝は寿命を司る神なので、悪いことをした人に、罰として寿命を縮めました。
ところが、三尸の虫は、人間が寝ている間にしか体から脱け出ることができないので、庚申の日はみんな徹夜をして、寿命が縮まらないように気をつけたということです。
八坂庚申堂には、三尸の虫を食べてしまう青面金剛(しょうめんこんごう)というご本尊が祀られていました。
庚申堂の願い事は、手足をくくられて動けない猿の姿をした「くくり猿」に書きます。
欲のままに動く猿の手足をくくった「くくり猿」には、人の中にある欲望が大きくならないようにとの戒めもあるんですね。
自分の欲望を1つ我慢して、黄色やピンク色やグリーン、ブルーの「くくり猿」に、お願い事を書くことが大切だそうです。
縁結びのパワーがある庚申堂には、「くくり猿」のまわりに着物姿の女性や女子学生がいっぱいでした。
くくり猿は、手作りなので、平日は100個、週末は300個と販売数が決まっているそうです。
ⅴ 編集後記
くくり猿のお守り
大人になると、大変なことがいっぱい出てきて(笑)、自分一人ではどうしようもないことがあります。
そんな時、パワースポットを訪ね、そこからパワーを受け取ることができたら………と思います。
最後に訪れた八坂庚申堂で、こんな風景に出会いました。
着物姿の二人の女性は、色とりどりのくくり猿から好きな色を探し、「良かった、この色、残ってて」「ピンクの色にしよう!」、「インスタ映えするように撮って!」……楽しそうな笑い声を、振りまいていました。
お願い事を書いたくくり猿は、たくさんのくくり猿と一緒に、二人のHappyな笑顔と写真におさまりました。
(その時、パワースポットの神様の声が聞こえました。)
「大丈夫! あなたに、パワーを授けましょう」
インスタ映えする写真を自分のものにして、彼女には、もう怖いものはありません。自信に満ち溢れた彼女の中のパワーは、パワースポットの神様と一緒になって………お願い事は、きっと、成就したと思います…………。