スケッチこぼれ話 Ⅱ
『スケッチこぼれ話Ⅱ』は、第14回『パワースポット』から第19回『源氏物語を訪ねて』の中の、エピソードを掲載しています。
『パワースポット』(2023年2月17日投稿)
「すっぽりと雪を被った灯篭に、灯がともった。(もう、六つ半だ。あといっときもしたら、陽が暮れる。) 桜井旬は本堂への道を急いだ。その時、バサッ! という音が静寂を破った。 旬は思わず後ろを振り返った………」
ちょっとおどろおどろしい貴船神社の参道を見ていると、そんな想像を搔き立てられます。笑
実はこの写真は絵ハガキです。パワースポットの取材に訪れた1月下旬、本当はこんなイメージの一枚をお届けしたいと思っていました。(取材の当日は、残念ながら昨夜降った雪は溶けてしまっていて…😢)
京都にはいろいろなパワースポットがあります。1000ある神社と3000のお寺はみんなパワースポットだと言われる方もいます。
そんな中で、ブログ『パワースポット』では、 ″ パワー ″ が湧くようなスポットを幾つかご紹介しました。
写真の御金神社は鳥居が黄金色をしています。この鳥居を潜ったら、きっと、お金が貯まること「間違いなし!」ですね。笑
カラフルな「くくり猿」は八坂庚申堂です。くくり猿にお願い事を書いて境内に飾ります。このお猿さん、とても人気があって、平日は一日に100個、週末は300個に限定です。この日も、着物姿の女性や女学生がたくさん集まっていました。
パワースポットと聞くと、誰もがわくわくしてきます。京都の散歩コースに、ぜひ取り入れてはいかがでしょうか?
『お麩』(2023年2月28日投稿)
『お麩』では、はじめに、アスリート中川真依さんの ″ 麩のパワー ″ をご紹介しました。
身近な食卓を飾るお麩に、こんなに栄養が詰まっているのに驚きました。
京都には、お麩を食べさせてくれる老舗のお店が幾つかあります。
京料理にもお麩の料理がでてきますが、お麩だけの専門店って、どんなところ?
半兵衛麩さんの暖簾をくぐるまで、ちょっとしたドキドキ感がありました。
ブログでは、『むし養い』と名前が付けられたお麩のコース料理をご紹介しています。
生麩や焼麩が色々なお料理に変身してしまう瞬間を、ぜひ愉しんで頂けたらと思います。
半兵衛麩さんにお邪魔すると、日本の伝統行事の一つ「五節句」のことを思い出しました。お正月、ひな祭り、こどもの日、七夕、お月見。
明治と大正の時代に作製されたひな人形を、お店では桃の節句の三月三日と、重陽(ちょうよう)の節句の九月九日の時期に飾るそうです。
京都の伝統的なお料理と生活習慣を、ぜひ味わってみてください。
『梅香る』(2023年3月9日投稿)
桜が大好きな桜井旬ですが、実は京都には「梅好きも結構多い!」、『梅香る』はそこからスタートしました。
そして稿の最後に、どうして京都人は梅好きなの? そんな謎解きをしています。
ところで、梅の取材は、満開の花に出会うまで失敗の連続でした。
今年は花の開花がいつもよりとても早かったり、桜と違って花が密集しない梅は7分咲きぐらいだと上手く写真に収まらなかったり………いろいろな言い訳をブログに書きました。笑
ブログで掲載した梅は、北野天満宮と城南宮です。京都人は、天満宮のことを ″ 天神さん ″ とか ″ 北野さん ″ といいます。
ずいぶん親しげだなあーとはじめの印象でしたが、天神さんの歴史を紐解くと、京都人が梅好きなのも、納得しかりです。
それから、城南宮の ″ しだれ梅 ″ 。これは一見の価値ありです。 ちょうど、取材に訪れる一週間ほど前に、京都に雪が降った日がありました。雪が綿のようにしだれ梅にのっている姿に、たまたまテレビで見かけたオーストラリアからの一行が「beautiful!」「beautiful!」と連呼していました。
絶好のタイミングを逃した悔しさと、外国人の楽しむ姿にほんわかした気持ちと、複雑な『梅香る』季節でした。
『桜前線迫る!』(2023年3月19日投稿)、『ぜひ見て欲しい桜』(2023年3月24日投稿)
「桜企画」🌸の2つのブログは、3月19日と3月24日に投稿しました。ここには、桜井旬の ″ 長年の思い ″が隠されています。
平年だと、京都の桜の満開は、4月の第1週、とくに1日から4日ぐらいです。ところが、温暖化のせいか、ここ数年は満開が早まり、昨年は3月30日でした。
桜井旬はそこで満開日が早まっても、事前情報をお届けできるように、過去10年の写真を用意し万全を期して、19日と24日に投稿したのです。
なのに、自然は厳しい😢。 今年の桜は、3月17日に開花すると、あっという間に3月24日満開という、記録上例のない、世にいう ″ 桜事件 ″ となってしまいました。(ここだけの事件です。笑)
ブログを読んで頂けた方も、花見に出かけるのはとても間に合わなかったと思います。
ブログの前半『桜前線迫る!』の中では、早朝6時の清水寺から高台寺や円山公園、哲学の道をご紹介しています。貴重な時間とお金を生かす ″ 節約だけど愉しみ倍増!コース ″ になっています。ぜひトライしてみてください。
後半の『ぜひ見て欲しい桜2023-2024』は、この10年間に撮影したおすすめの桜スポットをご紹介しています。
それから、タイトルの2023-2024には、″ ずーっと毎年みてくださいね!″ という桜井旬のお願いも込められています。
『源氏物語を訪ねて』(2023年4月5日投稿)
″ 源氏物語 ″ をテーマにブログを書こうと決めたのは、『パワースポット』を書き始めた頃。
昔の記憶を辿りながら、どんなテーマにしようかと模索すること○○日。その間、とても後悔の日々を送っていました。😢 記憶を辿れば辿るほど、紫式部の奥深い世界が立ちはだかり、いったい全体、どうしたらいいかと………。
最終的に少しだけ開き直って、読者の方が明日につながる ″ 源氏物語 ″ になればと、「できるだけわかりやすく」、「イメージ写真をたくさん入れて」をモットーに投稿しました。
源氏物語はとても長い本なのではじめから読むのは大変です。
宇治にある「源氏物語ミュージアム」で当時の面影を残す人形や展示物を見られたら、本の中の難しい描写も少し想像できると思います。
このテーマを書こうと思ったのは、ブログの中でご紹介したドナルド・キーンさんの影響でした。
2019年に亡くなられたキーンさんが、生前、源氏物語についてテレビでお話している様子を拝見し、ずーっと不思議な感覚が残っていました。
どうしてアメリカ人のキーンさんが、私たち日本人よりも日本のことにこんなに興味を持たれたのでしょうか?
本稿にはそんなことも書いています。ぜひ、読んで頂けたらと思います。
編集後記
近日、『御所(ごしょ)のお引越し』と『嵐電(らんでん)物語』を投稿する予定です。「嵐電」は京都市内の西エリアを走る京福(けいふく)嵐山電鉄のことです。旅の途中、嵯峨嵐山駅近くのsnowpeakさんという喫茶で、一人の若者と出会いました。かつて旅館だったという建物は、築100年以上たって今もその面影を残しています。
なかなか、企画通りにいかない『京都スケッチ』ですが、今回も彼のサポートでなんとか投稿に漕ぎ着けたいと思っています。 桜井旬