スケッチ・コラム 第11回『春の義理』
4月、京都は桜のシーズンです。

東西南北に名所が数多くある京都市内は十分に計画をたてて花見に出かけないとせっかくのタイミングを逃してしまいます。
『桜前線迫る!』(2023.3.19)には、清水寺や円山公園、祇園など東山界隈の桜を紹介していますので機会があったらご覧になられてください。
いつもの年よりも梅の開花が遅かった2025年。

桜は3月後半の暖かい陽気にのって順調に開花の時期を迎えていくような感じです。
といっても京都の桜。
種類が豊富なのと育っている環境で微妙に開花と満開のタイミングが異なります。

4月の後半、街中の桜が見頃を過ぎる頃、桜の一番トリを飾るのは仁和寺の御室桜(おむろざくら)です。
仁和寺は平安時代の初め頃、904年に出家した宇多天皇が、ここに御室という僧坊を設けた場所でした。
この桜を有名にしたのは、おそらく川端康成の小説『雪国』。

小説の中で、「御室の桜も、一目見たら、春の義理がすんだようなもんや」という一節が出てきます。
あまり大きくならない御室の桜は美しく親しみの湧く桜なのですが、京都では一番最後に咲く桜として、春の義理を果たす桜に例えられているんですね。
